離婚・男女問題コラム

2023.10.31

審判離婚とは何か?を解説します!

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

ある著名なポータルサイトを閲覧していますと、「審判離婚が確定したのですが、再婚はいつからできるのでしょうか。離婚届はどちらが提出するのでしょうか。」という主旨の質問がありました。「審判離婚」で終結する案件はなかなかないので、お困りの様子でした。当職の皮膚感覚でも「審判離婚」はほぼないです(離婚自体を争っている案件が多いためです。)。
そこで、今回はあまりなじみのない「審判離婚」について解説したいと思います。

●審判離婚とは

裁判所における離婚手続は、まず家庭裁判所に対する調停申立てをし、これが不成立に終わった場合に離婚訴訟を提起するというのが原則的な流れです。審判手続に移行することは一般的にはありません。しかし、調停が成立しない場合であっても、離婚自体は合意しているが財産分与や子の監護方法等にわずかな相違があるにすぎない場合や婚姻関係が破綻していることが明らかなのにいたずらに調停に出頭しない場合など、あらためて離婚訴訟を提起させることが申立当事者にとっても社会経済上も無駄になることがあり得ます。
そのような場合に、家庭裁判所の判断で離婚の審判を下せる制度が「審判離婚」です。

【参照条文】
家事事件手続法
(調停に代わる審判の対象及び要件)
第284条  家庭裁判所は、調停が成立しない場合において相当と認めるときは、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、職権で、事件の解決のため必要な審判(以下「調停に代わる審判」という。)をすることができる。ただし、第277条第1項に規定する事項についての家事調停の手続においては、この限りでない。
2  家事調停の手続が調停委員会で行われている場合において、調停に代わる審判をするときは、家庭裁判所は、その調停委員会を組織する家事調停委員の意見を聴かなければならない。
3  家庭裁判所は、調停に代わる審判において、当事者に対し、子の引渡し又は金銭の支払その他の財産上の給付その他の給付を命ずることができる。

●審判離婚ができる場合

では、どのような場合に審判離婚が認められるのでしょうか。まず、一般論として調停に代わる審判ができる要件を確認しておきます(家事事件手続法第284条)。
【調停に代わる審判を行う要件】
①調停成立に見込みがないこと
②家庭裁判所が相当と認めること
③委員会調停の場合は家事調停委員の意見を聴くこと
④当事者双方に対する衡平と一切の事情を考慮すること

具体的にはつぎのような場合にできるとされています。
①離婚の合意はできているが、病気などの理由で裁判所に出頭できない場合
②離婚の合意はできているが、親権や養育費、慰謝料などの条件面でわずかな意見の対立がある場合
③婚姻関係が破綻しているのに相手方がいたずらに調停期日に出頭しない場合
④当事者の一方が遠隔地にいるため出頭できないが、調査官が離婚意思について確認している場合
⑤渉外離婚等の事件で、調停期日において合意が成立している場合
⑥渉外離婚等の事件で、準拠法(外国法)が裁判離婚しか認めていない場合

注目するべき点は、お子さんの親権の争いで対立している場合でも審判離婚が利用できる点です。調停に代わる審判が、離婚・離縁事件と別表第二の事件が対象となるからです。
そうすると、たとえば、離婚調停で相手方が嫌がらせ目的などの感情だけで親権を譲らないといった場合には、審判離婚できる可能性があることとなります。

●審判離婚があまり活用されていない理由

もっとも、リード文でも述べたとおり、審判離婚はあまり活用されていないのが現状です。それは、以下の理由が考えられます。
【理由】
①そもそも当事者双方が離婚に同意していれば調停が不成立になるケースが少ないから。
②調停に代わる審判は、審判日から2週間以内に異議申立てがあると効力を失ってしまう(別表第二の事件の審判手続についても失効します。)ので(家事事件手続法286条、279条)、異議申立てが予想される事案では、あえて調停に代わる審判を経ずに調停不成立とし、離婚訴訟に誘導・移行させることが多いから。

●審判離婚の効力

さて、審判離婚で離婚の審判が下された場合ですが、その効力は裁判での判決と同等の効力をもちます。
しかし、審判が下されどうしても納得できない場合には審判日から2週間以内に裁判所に対して異議申立てを行うことができます。
その際には理由などの記載は不要なので、不服がある場合には異議申立てを行い審判結果を争うこととなります。
【参照条文】
家事事件手続法
(異議の申立て等)
第286条 当事者は、調停に代わる審判に対し、家庭裁判所に異議を申し立てることができる。
4 異議の申立人は、前項の規定により異議の申立てを却下する審判に対し、即時抗告をすることができる。
5 適法な異議の申立てがあったときは、調停に代わる審判は、その効力を失う。この場合においては、家庭裁判所は、当事者に対し、その旨を通知しなければならない。

●審判確定後の手続

審判後2週間が経過すると異議申立てがないものとされ審判が確定します。
それから10日以内に市区町村の役場に「審判書の謄本」「審判確定証明書」「離婚届」を提出することで離婚が成立することになります。離婚届は審判離婚の申立人が役所に提出します。
なお、期限の10日を経過した後は相手方でも提出できるようになります。いつから再婚できるかですが、女性の場合、再婚禁止期間(待婚期間)が100日となっておりますので、それを経過すればよいということとなります。
【参照条文】
民法
(再婚禁止期間)
第733条
女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して100日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

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