離婚・男女問題コラム

2021.12.23

男女別の離婚理由(令和2年度の司法統計から)

 こんにちは。東京都中央区日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 本日は,「男女別の離婚理由」について説明をします。

 「令和2年度の司法統計」によると,夫婦関係調整調停事件(離婚調停)の申立て理由のランキングは,男女別に次のとおりです。

 なお「不明」の結果は,除外しています。

 

【参考資料:家事 令和2年度 19 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所|司法統計】

 

  • 女性(妻)の離婚理由

1位 性格が合わない

2位 生活費を渡さない

3位 精神的に虐待する

4位 暴力を振るう

5位 異性関係

6位 その他

7位 浪費する

8位 家族を捨てて省みない

9位 性的不調和(性の不一致)

10位 家族親族と折り合いが悪い

 

  • 男性(夫)の離婚理由

1位 性格が合わない

2位 その他

3位 精神的に虐待する

4位 異性関係

5位 家族親族と折り合いが悪い

6位 浪費する

7位 性的不調和(性の不一致)

8位 暴力を振るう

9位 同居に応じない

10位 家庭を捨てて省みない

 

男女ともに,もっとも多かった理由は,「性格の不一致」でした。大恋愛の末折角家族になったわけですが,結局これが理由となるとは,何とも皮肉な話です。

 

つぎに多いのが,女性(妻)は,「生活費を渡さない」(後述する法律上の離婚原因の一つである「悪意の遺棄」(民法770条1項2号)になり得ます。)という金銭的問題,男性(夫)は「精神的な虐待」といった内面的な問題です。理由は異なりますが,ともに夫婦の関係性が色濃く出た結果となっています。

 

また,「性的不調和(性の不一致)」を男女ともにあげていますが,この問題は,夫婦間だけではなかなか解決することが難しい問題です。

 

ちなみに,民法770条1項は法律上の離婚原因をつぎのように規定しています。

① 配偶者に不貞な行為があったとき。

② 配偶者から悪意で遺棄されたとき。

③ 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

初回無料相談
受け付けております!

相談に来ていただいた方の信頼を獲得できるように様子見や出し惜しみをせず、
最初から全力投球します。セカンドオピニオンとしてのご利用も歓迎ですので遠慮なくお声がけください。