
「旦那が会社の若い子と浮気していて、許せない。ホテルに入ったところも見た。」



「何度も浮気を繰り返している旦那に、もう限界を感じている。ラブホテルに入った写真も撮った。」
決定的な証拠も押さえたので慰謝料を請求して離婚したい。こんな悩みを抱えている方は少なくないでしょう。離婚を考えたとき、不倫の証拠は非常に重要です。
しかし、ラブホテルに入った写真だけでは、裁判において十分な証拠とは言えない場合があります!
本記事では、ラブホテルに入った写真だけでは不十分と言われる理由と、どのように証拠を集めるべきか、そしてその証拠がどれほど有効に働くかについて解説します。
浮気をされたことで感じる怒りや悲しみは非常に大きなものです。その気持ちを理解しつつも、冷静に証拠を集めることが、離婚を有利に進めるための大きなカギとなります。証拠がしっかりとしたものであれば、不倫の事実を裏付け、慰謝料や養育費、財産分与で有利な条件を引き出せる可能性が高まります。



今旦那に浮気されていて、どうすれば良いか悩んでいる方にこそ是非読んでいただきたいです!


監修:弁護士 濵門俊也
東京新生法律事務所所属 / 保有資格:弁護士(東京弁護士会所属)
離婚問題に関する相談実績年間300件以上です。離婚問題でお困りのことがあればお気軽にご相談ください。


監修:弁護士 濵門俊也
東京新生法律事務所所属 / 保有資格:弁護士(東京弁護士会所属)
離婚問題に関する相談実績年間300件以上です。離婚問題でお困りのことがあればお気軽にご相談ください。
結論ラブホに入った写真だけでは不倫の証拠としては不十分!


不倫の証拠として「ラブホテルに入った写真」が話題になることは多いですが、実際にはその写真だけでは不貞行為として認められることは少ないのが現実です。
法的には、不倫を証明するためには「性交渉」があったことが求められます。
そのため、ラブホテルに入った証拠があったとしても、当事者が「性交渉はなかった」と主張してしまえば、それだけでは不貞行為とは認定されません。
極端な例ですが、もし不倫している男性と女性にGPSを取り付け、同じタイミングで同じラブホテルに入ったことが確認できたとしても、それだけでは法的には証拠としては不十分です。重要なのは、性交渉が実際に行われた証拠です。確実に証拠として認められるのは、性交渉中の写真や動画など、肉体的接触があったことが明示された証拠です。



自身の偏見で決めつけずに、不倫の証拠を集める際は、慎重に、そして法的に有効な証拠を求めることが重要です。
ちなみに相談者の方はどのような経緯で旦那の不倫・浮気を知る?【弁護士が実際によく聞く理由】


不倫が発覚するきっかけは人それぞれですが、主に以下のようなパターンがあります。
1. 偶然の発見



「何気なくメールやSNSを見てしまった・・・」
このように偶然発見することも多いですが、この場合、証拠が不十分なこともあります。例えば、ただの親しいやりとりだけでは、法的に「不貞行為」の証拠として認められないことがあるため注意が必要です。
2. 直感や勘



「なんとなくおかしい」「違和感がある」
と感じたとき、勘が働く女性も少なくありません。このような直感がきっかけで、夫の行動に疑いを持ち、証拠を集める方も多いです。実際に不倫の証拠を集めることができれば、離婚を有利に進めるための大きなポイントになります。
浮気・不倫について弁護士への相談の重要性


証拠収集は専門的な知識を必要とするため、弁護士に相談することが非常に重要です。弁護士に相談することで、収集した証拠が実際に有効かどうかを確認でき、また、裁判で有利になるために必要な証拠の収集方法についてもアドバイスをもらえます。



実際に、不倫の証拠を収集したものの、その証拠が不十分だと判断された場合、裁判で不利になってしまうことがあります。
弁護士に相談し、必要な証拠を確実に揃えることで、離婚を有利に進めることができます。
夫の浮気・不倫についてどのような証拠を集めていくべき?


不貞行為を証明する確実な証拠は「性交渉中の写真や動画」ですが、それだけに頼る必要はありません。他にも、証拠を組み合わせることで、「性行為があった」ことを立証できる場合があります。



例えば、以下のような証拠が有効です!
- 相手のSNSでのやりとり
- クレジットカードの明細書
- 電話の通話履歴
- 夫の帰宅時間や行動を書いた日記
日記は毎日のルーティンで記録するものですので、嘘をつくことは少なく、証拠として非常に信頼性が高いです。日記に記録することで、客観的な証拠を集めることができます。
弁護士が教える!証拠集めで気をつけた方がよいこと!


スマホのロックを解除したり、勝手にアプリを開いてSNSやメールを確認することは絶対に避けましょう。LINEやメールでのやり取りは、プライバシーとして保護されている対象であり、無断で見ることはプライバシー侵害にあたります。
実際、ある相談者は寝ている夫の指を使って指紋認証でロックを解除し、スマホを確認したことがありましたが、これはプライバシー侵害として損害賠償を請求されるリスクがあります。
証拠を集めるために自分の手を汚すことは非常にリスクが高いので、あくまで偶然のタイミングで発見する程度にとどめておくのが賢明です。



例えば、ロックが解除されているときや、メールが届いて画面に通知が表示されたときなど、偶然に見ることができた場合に限り、確認するようにしましょう。
離婚を決意したら、証拠集め以外に弁護士が教える始めるべきこと


離婚後に自分の生活基盤をしっかりと築くための準備が重要です。
多くの方が慰謝料や財産分与に期待しますが、相手の懐を頼りにすることは危険です。特に、若い夫婦の場合、支払う側の収入が少ないことが多く、また婚姻期間が短ければ財産も少ないため、慰謝料や財産分与の額は限られていることが多いです。



お子さんがいる場合でも、養育費の支払いが滞るケースは非常に多いため、養育費だけでは生活が成り立たないことを理解しておく必要があります。
離婚後は、夫に依存せず「自助」で生活を支えることが基本です。専業主婦の場合、離婚を考えた時点で就職活動を始めるべきですし、働いている方も収入を増やす方法を考える必要があります。
ちなみに不倫された相手に慰謝料請求するための条件についても、下記記事で書いているので合わせて読んで見てください。


最後に離婚を考えている方々へ弁護士から伝えたいメッセージ





今、離婚を考えている理由が、どんなものであれ、自分のことを一番に考えて欲しいと思っています。
日本人にはどうしても「喧嘩両成敗」の発想があって、「夫の浮気には自分にも原因がある」「私の不徳のいたすところ」などと思いがちです。
しかし、夫婦生活の様々な問題や悩みを一人で抱え込むと、自分自身が心身ともに痛んだり、深く傷つくことになります。 自分とお子さんのことを大切に考えて欲しいと思いますね。
先ほど、離婚後の生活は、他人に依存しない「自助」が基本であると申し上げました。たしかに、「自助」が基本ではありますが、社会の中での「共助」、国や自治体の「公助」もあります。離婚を考え始めた、あるいは離婚したいと言われたら、その時点で結論が出ていなくても、まずは相談に来ていただけたらと思っています。