離婚・男女問題コラム

2023.08.09

離婚に向けた話合いや別居をしている間に「不倫」?!ー不貞行為に当たるのか?

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

離婚に向けての話合いや別居をしている間の「不倫」に関し、法律相談を受けることがあります。
ある男性は、妻が家事をしなかったり、セックスレスだった結婚生活に見切りをつけるために別居をして、離婚に向けての話合いをしていました。ただ、別居から半年の間に、別の女性と親しくなってしまったそうです。男性は「それでも不貞行為に当たるのか」と心配していました。
また、ある女性は、夫から「離婚したい」といわれて別居することとなりました。ところが、その後、夫が彼女をつくって交際していることを知りました。とてもショックを受けている様子で、慰謝料を求めたいと考えていました。
たしかに、離婚に向けての話合いをしているとはいえ、相手がすぐに離婚に応じない場合、不倫していたら道義的には問題がありそうです。一方で、もはや修復不可能なくらいの期間別居している場合は、新しいパートナーをつくっても許されそうな気もします。法的にはどんな問題があるのでしょうか。

●婚姻関係がすでに破綻している場合は「不貞行為」に当たらない

離婚が成立しておらず、法律上の婚姻関係が継続しているときは、基本的に「不貞行為」に該当するものと考えられます。「不貞行為」は、法律上の離婚理由(民法770条1項1号)となり、不法行為として損害賠償責任を負う(民法710条、709条)こととなります。
ただし、離婚協議中や別居中であるとして、その状況、別居期間及び別居の理由などの事情を総合的に考慮したうえで、夫婦の婚姻関係はすでに破綻していると認められる場合には、不貞行為には該当せず有責配偶者として責任を負うことにはならないと考えられます。
これは、配偶者の一方が別の異性と性的関係をもったとしても、すでに保護に値する夫婦間の貞操義務はなくなっており、そして配偶者の一方が別の異性と性的関係をもつことは、夫婦の婚姻関係を破綻させた事情ではないと評価できるためです。

●「破綻」と認められる基準はあるの?

同居しているよりは、別居中のほうが破綻と判断されやすいとか、別居して間もないよりも、長期間別居を継続しているほうが破綻と判断されやすいといった傾向はあります。また、同居していても、別居期間が短くても、それまでの関係性や状況によっては、破綻していると判断される場合もあります。
逆に、別居期間が1年以上になっていたとしても、この間、子育てだったり、家族生活の維持に相互に協力していたと認められるとしますと、破綻してないと判断されることもあります。このような次第ですから、破綻と認められる基準のようなものを一概に示すことは難しいと思います。
裁判上の離婚事由として、民法で規定されている「不貞行為」の核心的行為は、性交渉(セックスや口淫など)を伴う行為です。そこまで至らないのであれば、不貞行為そのものとはいいにくいですが、それに準じる行為という認定を受けることはあります。また、裁判上の離婚事由としては、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当すると認定されることはあります。
ですから、「不貞行為」には該当しなくても、交際の程度によっては、法的にも「許されないこと」(違法性・有責性があること)に該当する可能性があるものもあり得ます。
結局、違法性・有責性があるかどうかは、婚姻関係の破綻と評価される状況になってから、交際したかどうかという問題となるますので、なかなか事前に「これなら大丈夫」と太鼓判を押すことは、ほぼできないと思います。

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